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PrecisionMedicine『産業医学・産業保健の問題点と展望』

月刊PrecisionMedicine2025年5月臨時増刊号 特集編集・総論 神田橋宏治 産業医学・産業保健の問題点と展望 北隆館

 総論にあるとおり現在産業保健にて問題となっている点について各領域エキスパートの概説論文が掲載されている。

 1.産業保健の基本と課題 森先生による課題の整理と検討。自律的産業保健やウェルビーイングの実現、働く全ての人のためにという視点から私自身も整理できた。個別の支援、上司支援、グローバル展開への対応も見据え「今まさに産業保健の正念場」と締め括られている。

 3.小規模零細事業場支援の経験と展望
 今井先生による産業保健支援サービスの拡大や展開について。ビジネス構築といった観点でもあらためて参考になる。

 6.産業保健における三大法的リスク
 産業保健法学会でもお馴染みの弁護士井上洋一先生による論文。産業保健において法的リスクが高い分野は「休復職判定」「ハラスメント」「個人情報・プライバシー」の3つとのこと。内容全てを引用したいくらいだが、どうぞ本特集でご確認ください。

 上記以外のテーマもとても明瞭。職場のメンタルヘルス対策や米国で先行する分野も興味深く拝読した。産業医や医師向けの特集であろうが、私のような別専門職も勇気づけられた。現代的課題やニーズの変化もひしひしと感じた。(2025年6月7日)