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白鳥の湖


 先日の仕事帰りK-Balletの白鳥の湖を観に行った(大阪公演:フェスティバルホール)。普段新国立劇場バレエ団の公演を観に行く機会が多いが、バレエは関西公演の機会自体とても貴重。住まいの近くで観られるならばと馳せ参じた。

 座席はバルコニーBOX(お得な上層階部分です)、舞台の奥行きまで俯瞰で観られるのは最高だった。

 白鳥の湖は何度観てもやはり好きと思えるし、どの舞台もプロはすごい。すごいというのは技巧だけではなく、どちらかというともっと別の要素。物語性があり情緒的(決して顔芸ではなく)な舞台や踊り手が好きな私にとって、この日の主演女性プリンシパルの方がとても魅力的に感じた。ロットバルトも巧みで演出も腑に落ちた(本公演後、主演の白鳥の姫と王子ペアが現実に結婚発表された)。

 また大阪公演は観客の楽しみ方もノリが良く、カーテンコールではブラボーが飛び交い指笛まで鳴っていた。まっすぐなリアクションに今回ばかりは明るい気持ちになった。

 アートは何をもってすばらしいと感じるかは人それぞれ。バレエはバレエ団のカラー・演出・演目・演奏によって、また同じバレエ団でもその日のキャストや調子によって受ける印象も結構異なる気がする(観る側のコンディションによっても)。これが舞台の一回性ということなのだろう。舞台のその時間を慈しむことをいちバレエファンとして大事にしたい。(2025年6月12日)