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『カラマーゾフの兄弟1』


 何度も挑戦しては挫折している『カラマーゾフの兄弟』。ドストエフスキー『白痴』や『罪と罰』は読めるのに、カラ兄はなぜ読み終えられないのか‥今こその気持ちで挑戦中である。

 今回はつい先日、中公文庫から初文庫化となった江川卓訳版を。まずは2025年6月に1・2巻刊行この後3巻→4巻と順次刊行されるとのことである(タイミングといい私がまさに今夏じっくり取り組むべき本)。

 訳者解説にはこうある。
〝興味が持続し、時間さえあるなら、何年間をへだててでもよい、何度かまたこの作品に立ち戻り、読み返していただけたらと願っている。これは、何度読み返しても、そのたびに新しい発見を贈ってくれる珍しい本、世界文学の真の古典なのである。〟

 カラ兄初心者としてはまず、登場人物ページが既に辛辣で悲しく苦笑してしまう。なお、この作品が書かれた80日後ドストエフスキーは59歳で亡くなってしまったそうだ。勝手ながら相当な年齢(というか長老のイメージ)で書かれたものとこれまで思っていた。59歳なんて、ざっくり言えば私と同世代!文豪と比較しても仕方ないのだが‥自らの軽さをしみじみ感じる次第である。

 また、宗教的背景(ロシア正教)について別の本を読んでおくと本作が読みやすくなる?とか、やっぱりここは『ドストエフスキーと父親殺し/フロイト』も‥と次々手を広げてしまっている。やはり読了完走するにはとんでもない時間がかかりそうだ。(2025年6月22日)