移動のおともPodcast番組「over the sun」。同世代の友人とは常日頃この番組の話題になる。今日聴いていたのは〝覆水盆に返し、飲み干す〟回。くすくす笑いつつ聞いていたのだが途中、互助会の方からのメッセージで急に涙目になった(感情がいそがしい)。
詳細は省くが、インポスター症候群の話題が一部とりあげられる内容だった。そのメッセージに(私は私の立場で)よく分かる!と思い涙が浮かんだ。
ちょうど読んでいた佐久間裕美子(2025)『今日もよく生きた』光文社 の中でも、インポスター症候群についてのエピソードがあった(この著作もまた私の琴線に触れぽろぽろ涙がこぼれる)。
例えば〝良い事が起きた時、自分には過分だ〟(42ページ)と思うか?と著者がセラピストに尋ねられる場面がある。評価を得た時、厚遇された時、うれしいはずなのに自分にはそんな価値はないと思ってしまう傾向等をさすインポスター症候群。ニューヨークに暮らす著者は、この傾向は特に女性、移民、に多いと説明を受ける。
これは日本で生活する心理士/師である私自身にもまさにあてはまる傾向だ。せっかくよい評価を受けても、後ろめたさや時に罪悪感を持つことさえある。成功やうまくいったことの自己肯定の難しさ。生きて仕事をしているだけで、性別、世代(私は氷河期世代ど真ん中)、身を置く業界、立場‥そう思ってしまう様々な要素が折り重なっている。
〝「私は恵まれているのだから」と、その気持ちを脇によけたり、否定したりすることは、本当は存在する痛みを消すどころか、さらに傷つけることにしかならない〟(43ページ)本当にそうだな、と静かに納得している。(2025年7月15日)