【※ 今回のBlog内容は、専門職向け雑誌における:性暴力特集の感想メモです。
テーマに関してしんどさを感じられる場合は、無理して読み進めないようお願い申し上げます】
雑誌『臨床心理学』146 vol.25 No.2 (2025)特集 性暴力「起きた後/起こる前」に支援者は何ができるか?
再読。この雑誌、表紙がいつのまにか変わっており(編集もリニューアル)これまでの同雑誌と認識できずにいた。ようやく同一だと気づいた昨年。
本特集は、性暴力被害者の支援に焦点を当てている(特集にあたり高齢者の問題やインターセクショナリティは取り上げられていない)。
特に興味深く読んだのは「心理臨床と性暴力/セクシャル・ハラスメント 松森基子」と「病院の性暴力/セクシャル・ハラスメントに対応する 今北哲平」。
前者は心理臨床家による性暴力加害と被害がテーマ。日本の心理臨床業界特有の土壌についても記され、業界内の権力勾配と家父長制、身内と妾・男妾、仕えること、等も述べられている。
個人的には予防的対応策のひとつとして、英国精神分析協会のよう年に数回以上倫理問題を扱う学術議論の機会設定を求めたいところ。英国協会の〝境界侵犯/守秘義務/出版の倫理/精神分析を実践できる能力の査定/加齢に伴う問題等〟を応用した実施もよいかもしれない。
私自身は中堅に足を踏み入れており、加齢に伴う倫理問題を起こしかねない立場にある。自己流ではなく学術的に知り学ぶことで自身を意識づけておきたい。そういったコミュニティに身を置き、引導を渡される前に退こう。
また後者は、病院における性暴力と二次予防に関して、組織対応を含めて論じられている。産業精神保健の文脈において、事例性と疾病性に分けて捉えることは主流の考え方だが、臨床心理学の文脈でこう整理されているのは珍しいように思った。医療現場における女性差別も指摘のうえ整理されている。
(2026年1月7日)
