何かにつけて怖がりなのだが、気づけば飛行機に乗ることも(苦手レベルを超えて)怖くなってしまっていた。かなり前、アジア圏を旅行していた時の飛行体験をきっかけに回避行動が始まったように思う。ここ10年程で出張や移動の機会が増えるにつけ、現実的に支障が生じるようになりかなり困っていた。以下、恐れと恐怖症について克服プロセス含め少し記しておきたい。なお基本的には、医師やセラピストと共に取り組むことで安全に克服できると思う。 恐れや恐怖症は、飛行機以外にも実は種類が大変多い。恐怖の対象は人によって様々だ。苦手意識・恐れを感じることくらいは誰にでも起こりうることだが、それらが生活上に支障を及ぼすとなると対処が必要なサインかもしれない。 飛行機恐怖を乗り越えるため役に立った書籍は『Flying with Confidence:The Proven Programme to Fix Your Flying Fears / Partricia Furness-Smith and Captain Steve Allright:BRITISH AIRWAYS』(2014)※。心理士(恐怖症特に乗り物関係を専門とする)と航空機パイロット:ブリティッシュエアウェイズによる共著。このテキストによって個人的には随分助けられた、知識は力。 幸い(?というかなんというか‥)心理士という職業柄、プログラム構造を理解し何をどうすることが必要か頭では理解していた。すごく雑な説明だが、いつ/どこで/どのように曝露するか計画に基づき遂行、成功体験を重ねていくことが基本的道筋だ。また航空機の構造や飛行に関する基礎知識を得ておくこともとても役に立った。合わせて呼吸法やリラクゼーション等、脳機能と身体の両面から対処を試し体感し、自分に合う乗り方を探る。 という訳で私もスモールステップでプログラムを遂行。背景にある自身のコントロール欲求(これはなかなか厄介)も見つかってしまったが、そうこうしつつなんとか症状はマシになった。完全でなくとも少しはマシと思えることも大事なことだ。実際、昨年は北欧へ、そして先日は北海道にもこわごわだが乗ることが出来た。 私自身はこの過程で、協力者(友人や同業者、知人ドクター、パイロット)の助けがとても大きかったと思う。まさに旅は道連れ!いわゆるCBT(認知行動療法)での対処も可能で、VRを使ったプログラムもある。より根深い場合は何らかのトラウマ対応が必要となることもあるだろう。 飛行機でどこかに行きたい/行く必要があるが、恐怖心が強く行動に制限がでている方へ。私もそうなのだが、仕事上やはり飛行機に乗らねばならない働く方にもサポートが届くようになると嬉しい。 克服を望まれる方はぜひ医師、セラピストやカウンセリングの専門職、航空関係者や航空会社によるサポートを検討してみていただきたい。皆様の自由と安心が少しでも広がることを心より願う。そして共に歩む専門職がいることも知っていただければ幸いだ。 ※ぼろぼろのテキストの写真。この書籍もう少し手に入りやすくなるとなあ‥今となっては記述内容にやや古さを感じる部分もあるが、一般の方向けにとてもよくまとめられているテキストと思う。またBRITISH AIRWAYSのサイトを見ると飛行に対して恐怖心がある人を対象にFlying with Confidenceという独自プログラムを実際提供しているようだ(一切の利益相反ございません)。